ローヤリング授業~体験者の声~
法学既修者S.Rさん
私は、法科大学院修了後の一つの進路として弁護士を目指しています。そのため、ローヤリングを受講しました。
法律基本科目では、判例についての理解、法制度の趣旨や、そこからどのように法律要件を解釈し、適用するかについて学びます。実務基礎科目では、法律基本科目で学んだことを前提に、それが現実の実務においてどのように手続きや訴訟活動で実践されているのかを学びます。
他方、ローヤリングは、法曹、特に弁護士としてどのように行動するのか、行動する際にはどういうことに留意すべきかについて学びます。具体的には、依頼人と信頼関係を構築していく技術や依頼人から法的に必要な事実を聞き出す技術、行動経済学等に触れながら、どのように交渉を進めていくかといった技術や知識を、法律相談や交渉のロールプレイを交えながら学びます。
法律相談では、相談者からは、法的な回答や助言が求められますが、相談者が必ずしも法律に詳しいとは限らないため、平易な言葉で説明しなければなりません。実際に、相続や離婚等を素材とした法律相談のロールプレイをやってみると、気づかないうちに法律用語で説明してしまい、とっさに言い換えることや、かみ砕いて説明することの難しさを実感しました。平易な言葉で説明する技術は、他の授業科目で答案を書くときや、将来法曹として書面を作成するときにも役立てることができるため、とても勉強になりました。
また、飼い主が見ていないところで、犬が噛みついてしまったというペットのトラブルを素材とした調停のロールプレイでは、双方の当事者が見ていないところでの出来事であり、双方とも自分の言い分が正しいと考えやすく、お互いの言い分を聞きながら事実認定を行うことは、とても難しかったです。事実認定や事案分析をすることは、司法試験の問題を解く際にも、実務の実践においても不可欠な力であるため、ロールプレイを通じて、実践的に学べたことは、とても勉強になりました。
実際にロールプレイを通して学ぶことで、実務に就いたときに、どのように行動すればよいか、具体的に良い点や問題点を理解することができるため、座学の講義だけでは気づけなかった新たな気づきや学びがあります。授業で学ぶことで、将来実務に就いたときの、自信につながると思います。今後は授業で培った知識や経験を基に企業や官庁など多様なフィールドで活躍できる弁護士を目指したいです。