実務教育

リーガル・クリニック

実務教育
クリニック授業の特色

クリニック授業では、具体的事件を素材にしながら法の生きた姿を学ぶことができます。

法律相談だけでなく、事件の受任、交渉・調停・訴訟という手続の選択やその各種展開、そして事件の終結に至るまで、各段階に対応した法的問題点や技法を学び、また、事案やクライアントの多様性・固有性を踏まえて、状況によって紛争が変化していく姿を見守りながら、関わっていくことを目指しています。

クリニックは、担任制を取り、民事・刑事の各分野について学生の希望調査を行っていますので、自ら取り組みたいと思っている分野やテーマを扱う教員の開講するクリニックを受講することで、その分野への関心を深めることができます。

法律分野だけでなく、これに関連する心理・福祉などの各種隣接領域の方を招いた研究会で、紛争やクライアントへの関わり方を考える機会も提供しています。

生の事実や事件からアプローチし、紛争処理の全体像をとらえようとするトータルな経験が、日頃の法律基本科目や実務基礎科目の理解や関心につながっていきます。

担任制

担当教員1名あたり数名程度の学生に限定した担任制を採用しています。各担任は民事、刑事、企業法務等のテーマをあらかじめ設定しているので、学生は自らの関心によって講座を選択し、参加することが可能です(ただし、希望者が多い場合は適宜調整します)。少人数で行う講座であるメリットを最大限に生かし、柔軟かつタイムリーな授業を行います。

実務的なアプローチ

それぞれのテーマごとに実務的な観点からの検討を行います。法科大学院教育においては法律基本科目に関する法解釈能力の習得に加え、実務法律家となるための総合的な能力の開発が必要となります。そこでは、心理学や社会学、さらには経済学などのさまざまな分野に及ぶ幅広い知識と社会や人間に対する洞察力などが必要とされます。クリニック授業では、テーマに則した具体的事案を検討することにより、これらの実務法律家として必要となるさまざまな知識、能力の獲得に努めることになります。

法律相談への関与(ローヤリングを含む)

法科大学院内にある無料法律相談室での法律相談に同席します。また、ときには担当教員の監督の下、自ら質問や応答を行います。相談過程に関与することにより、通常の座学では学び取ることのできない問題発見能力やコミュニケーション能力、さらには他者に対する共感力などを身に付けることができます。さらには、担任以外の教員や協力弁護士などの相談に同席することもあり、数多くの相談スタイルを経験することができます。その他にも、法科大学院における無料法律相談であることに鑑み、十分に時間を確保し、また、相談者の心理的負担を和らげるような質問方法に留意するなどの意欲的な試みをしています。