PEOPLE & REPORT

クリニック授業~体験者の声~

法学未修者K.Sさん

授業体験者の声
People & Report

 私は、将来、刑事事件に携わる法律実務家になりたいと考えていますので、刑事弁護の実務経験が豊富な先生の「クリニック」の授業を受講しました。

 「クリニック」の授業を通じて、弁護人は、被疑者が身柄拘束という重大な権利制約がある中で、被疑者との信頼関係を築きながら、被疑者のためにどのような弁護活動をしていくべきなのか、先生の実体験を交えたお話を聞きながら、学ぶことができました。

 授業では、授業内課題が出題され、自分が弁護人の立場になって検討していき、どのように対応していくか、先生と議論しながら、刑事事件について理解が深まりました。実際に裁判や接見で使われる書面を見ることができたことも、具体的なイメージを持つことに繋がりました。また、どのように保釈を求め、どのように弁論を組み立てていくのかは、事件ごとに異なるため、真摯に被疑者に向き合うことの大切さを学びました。

 特に接見の回では、先生から実際の接見時の被疑者について、先生の体験談を聞くことができ、被疑者が持つ不安を少しでも解消できるように話を進めることの大切さを学びました。それを踏まえた模擬接見では、適切な接見をすることの難しさを身をもって痛感することができ、大変勉強になりました。

 また、民事事件を主に扱う「クリニック」授業との共同授業も行われました。先生が調停委員役を演じ、学生が弁護士として調停を行うという模擬民事調停の授業では、依頼者が望む弁護活動を行うことができず、大変悔しい思いをしました。事前に用意された事案を読んで準備していても、うまく自分の言葉で説明することができず、調停委員役の先生方に質問をされても頭の中が真っ白になり言葉に詰まったことが、多々ありました。

 模擬民事調停の授業を通して、相手が考えていることを読み取れるようになるために、日ごろから、この人は何を伝えたいのだろうかと考えるようになりました。また、自分の言葉で色んなことを説明できるように、自分の中でかみ砕いて、勉強するようになりました。

 今後は、「クリニック」授業で得た知識を生かし、自分に足りない部分を補い、具体的なイメージを持ちながら勉強することを忘れずに、刑事事件に携わる法律実務家を目指したいと思います。